康熙画数の数え方:氵が四画である理由
五格で姓名を見るとき、最初の一歩が画数を数えることです。そしてここが最も誤られます。姓名判断が数えるのは現代の画数ではなく、康熙字典の画数だからです。
両者は数画も食い違うことがあり、一字狂えば五格すべてが狂います。
どこが違うのか
一、部首は本字で数える
康熙字典は部首で字を分類し、部首の画数は略された形ではなく本字で数えます。
- 氵 は水部で 4 画(水)。3 画ではありません。ですから「江」は 4 + 3 = 7 画
- 艹 は艸部で 6 画(艸)。ですから「范」は 6 + 5 = 11 画
- 月(にくづき)は肉部で 6 画。ですから「胡」は 6 + 5 = 11 画
- 扌 は手部で 4 画、忄 は心部で 4 画、犭 は犬部で 4 画
- 辶 は辵部で 7 画
- 左の阝は阜部で 8 画、右の阝は邑部で 7 画 —— 同じ形で値が二つ
ですから「郭」は右の阝(邑 7)に「享」8 画を足して 15 画です。
二、簡体字は繁体字で数える
簡体字は対応する繁体字で数えます。
- 刘 は 劉 として 15 画
- 张 は 張 として 11 画
- 罗 は 羅 として 20 画
- 叶 は 葉 として 15 画
ただし落とし穴があります。簡体字に見えるものすべてを換えてよいわけではありません。 于・台・余・范・谷・卜・干・松・沈・姜 はそれ自体が伝統的な字形で、於・臺・餘 に換えてはいけません。これらを簡体字として扱うのが、誤った画数のよくある出どころです。
再現可能な画数表
多くのオンラインツールは手写しの表を抱えており、一度の書き写し誤りが延々と残ります。当サイトは Unicode の Unihan データベースから生成しています。
kRSUnicode の「部首・余画」を取り、部首の本字の画数を足す。 部首の本字の画数はもともと康熙のそれですから、前節の特例は自動的に正しくなります。手書きの規則は一つも要りません。
簡繁の判定には kBigFive を使います。その字が Big5(繁体字のみの文字集合)に収まっていれば、それ自体が伝統的字形なので換えない。入っていない字だけ繁体字に換える。この一条で、于・台・余・范・谷 と 刘・黄・孙・罗・郑 が正しく振り分けられます。
もう一つ、自己検証の手があります。214 部首はもともと画数の少ない順に並んでいるので、画数の列は単調非減少でなければなりません。この規則で瓦・禸・鬼・鼎 の四部首が自動的に修正されました —— いずれも現代の画数が康熙より一画少ない字です。
出来上がった表は 21KB。よくある姓 89 個の画数を一つずつ、一般的な姓名判断の値と突き合わせて確認しています。
既知のずれ
限界も明記しておきます。Unihan は現代の字形で部首を分析するため、少数の字が康熙字典自身の分析と一画ずれます。戴(康熙は戈部十四画で 18、Unihan からは 17)や 萬 がそれに当たり、生成スクリプトで一字ずつ訂正しています。
また「叶」のように簡繁が同形の字は本質的に曖昧です。叶は「協」の異体字であると同時に「葉」の簡体字でもあります。当サイトは姓としての慣用に従い、葉すなわち 15 画として扱います。
ご自分で
お名前を入力すれば、各字の康熙画数とそこから組まれた五格が表示されます。生成スクリプトも公開しており、リポジトリの scripts/ にあります。